赤ちゃんの頃の記憶

42年前の赤ちゃんの頃の記憶

「あなた、助産師でしょう。じゃ赤ちゃんのことよく知ってるわよね。」
そう話しかけられたのは、ある研修会に参加してお昼ご飯を食べている時です。
左隣に座った42歳のその方は、自身が赤ちゃんの時のことを話してくれました。

「ハイハイって何か月でするの?」
~6カ月から8か月位だと思います~
「じゃあその頃だわ」
「ハイハイをしていたの。そしたら、母の姉になる人が、ほら揺らすと音のでるやつ」
~起き上がりこぼし(小法師)ですか?~
「そうそうそれ。それをね、揺らしてここまで来たらこれをあげるよ。っていうから、私ハイハイして取りに行ったの。近くに来て手を伸ばしたら、すっと後ろに下げるのよ。」
「それで、思ったの。この人嘘つきだ。くれるって言ったじゃない。嘘つきだから嫌いだって思ったの。」
「今でも、その人嫌いなの」
~それ違いますよ。ハイハイを促すのに良くやるんです。取られそうになったら、起き上がりこぼしを少し下げて、三回目位で取らせえてあげるんです。~
~そうするとハイハイを沢山するからと教えているんです~
~嘘つきじゃないですから、その人をもう嫌いにならないでくださいね~
(心の中で赤ちゃんごめんなさいと謝りながら)お願いしました。

42年間もの間、嫌いと思われていた伯母さんを少し気の毒に感じました。
嫌な事は、記憶として残りやすいとは聞きますが、生後6カ月頃の事を、場面と気持ちまでもを覚えていることに驚きました。

赤ちゃんは分かっているだけでなく考えて判断して決断しているとしたら・・・と気付いた私は、赤ちゃんに触れる時必ず声を掛けて「了解」を得るように心がけています。

赤ちゃんは了解と思っていないかもしれませんが、せめて嫌な事をする人だと感じる場面を一つでも減らしたくて。

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