20代後半の女性から聞いたお話です。
お子さんを生んで育児の忙しい日々を過ごしています。
その日々の中で、自身の幼い頃の記憶が思い出されてきました。
「育児の相談ではないのですが、話してもいいですか?」
その記憶の中にある出来事について確認したい事があるそうです。
~私は、3才くらいだと思います。
保育園に行っていました。
私は、部屋で本を読んでいました。
本が大好きだったからです。
部屋には沢山の本があって、色々な絵本や図鑑があって、その本を読むのが楽しみでした。
その日、私は1人でした。
他のお友達も本を読んでいたのですが、読むのをやめてみんなで遊んでいたようです。
先生が部屋をのぞいて私を見つけ「○○ちゃん何でみんなと遊ばないの?こっちでみんなと遊ぼう!」声を掛けてくれました。
「えっ」
(1人でいてはいけないの?)
(本を読んでいてはいけないの?)
(みんなと遊ばないからいけないの?)
(私は、悪い子なのかな?)
私はにいろんな思いが浮かんできました。
(1人は悪いことなんだ)
(みんなと遊ばないから悪い子だって、先生は思っているんだ)
(どうしよう どうしたらいいんだろう)
分からなくなって悲しくなりました。
「みんなと遊ぶことが嫌ではないんです。でもその時は、本を読むことの方が楽しかったんです。」
「先生は、私が1人でいたのでさみしいと思って声を掛けてくれたのですよね。
でも、1人でさみしくない子もいるって知って欲しいんです。
私は楽しかったから」~
「お部屋で1人で遊んでいる子をどう思いますか?悪いことなんですか?」
まっすぐに私を見つめて問いかけがありました。
そこで、3才の頃の気持ちを感じて考えてもらうことにしました。
その時の、○○ちゃんは先生にどうして欲しかったのですか?
「先生に、きいてもらいたかった。
本を読んでいるのは何でって。
そうしたら本が楽しいことや1人でいることがさみしくないとお話できたから」
3歳の気持ちを言えた後、大人になった○○ちゃんと先生の気持ちを想像してみました。
先生は、○○ちゃんに楽しい時間を用意してあげたかったのかも知れません。
みんなと仲良く一緒に遊んで欲しいと考えてくれたのでしょう。
優しい先生ほど、1人1人を良く見て声を掛けてくれます。
そんな優しい先生だからこそ、気持ちを聞いて欲しかったね。
「1人でいても楽しいかも知れないので、気持ちきいてあげて下さい。」
子ども達1人1人が感じ考えていること。
幼くて気持ちがまだ言葉に出来ない事もあるでしょう。
それでも、知ろう・聴こうと寄り添う姿勢に
子どもたちは安心し信頼し伝えようとしてくれるのですね。
子どもたちのやわらかい心を守るために、大人の私達が出来ること。
シンプルですが必要で大切な事、心掛けていきたいと思いました。